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2025.01.15
イベント
【2025/1/29】ウェビナー「生物多様性って気候変動と関係あるの?」
このウェビナーは、オランウータンやテングザル等、多様な生き物が共存するインドネシアの森を守るために活動を続けている「ウータン・森と生活を考える会」の石崎雄一郎さんに、現場の視点から「生物多様性について」、「生物多様性が私たちや地球にどれほど影響を及ぼし、また大切なものなのか」「私たちが生物多様性を守るためにできること」についてお話しいただきます。
ぜひ、生物多様性について知り、その大切さや美しさを感じとってください。
Action Groups「生物多様性」グループメンバー企画・開催
ご参加いただけなかった方やもう一度内容を確認したい方は、下記リンクよりアーカイブをご覧いただけます。
https://youtu.be/qPao-XWPUnw
【「生物多様性」グループからの開催報告 (2025/2/21追記)】
石崎さんはインドネシアのボルネオ島で活動していらっしゃいます。ほんの数年前まではキャンプをすると、夜が明ける頃から鳥や虫の声が聞こえ、生き物がたくさんいるのだと感じさせられる素敵な場所だったそうです。熱帯林には高木や低木があり、ひとつの世界が存在します。数々の霊長類や飛ぶ蛇など、いろいろな動植物や昆虫がいて、わくわくする場所でしたが、パーム油のために森林が破壊され、動物も先住民も地域住民も森を失ったそうです。石崎さんは、パーム油がお菓子や食パン、石鹸や化粧品などに多く使用されており、毎日購入しているものが森の破壊につながっていることにひどい衝撃を受けたと語っておられました。「植物油脂」と書かれているものはパーム油が使用されていることが多いとのことです。また生産者側にも利用者側にもメリットとデメリットがあることも学びました。
熱帯林は地球上の80%以上の生物種が住む、命が繋がりあう生物多様性種の宝庫です。近年、熱帯で非常に多くの火災が発生しており、世界中の熱帯林が破壊と劣化で二酸化炭素の吸収源から排出源へと変化していっています。例えばインドネシアには泥炭層が広がっていますが、これが乾燥し、地面が燃え、膨大な炭素が排出されるそうです。他にも、コンゴの熱帯林ではレアメタルを巡って子供兵が駆り出され、殺し合いをさせられています。アマゾンの熱帯林においても、電気自動車に使用されるレアメタルのために、先住民の人々の暮らしが奪われています。森林が破壊される以外にも深刻な問題が生じていることについてもご解説してくださいました。バイオマス問題についてもわかりやすくご教示いただきました。グリーンウオッシュにも注意しなくてはなりませんし、工場畜産も大きな問題のひとつです。
石崎さんはボルネオ島で下記のような支援活動を行っています。
- 20種類以上もの在来種の苗づくり
- 植林
- フルーツの木やコーヒー、カカオのように換金もできるアグロフォレストリー
- 自然や文化を残すことによって収入が得られるエコツーリズム
- 森林再生
- 動物のためのレスキューセンター
- 地域住民との協働
などが挙げられます。また京都府福知山市と舞鶴市におけるパーム油発電所を市民と協働し停止させられました。
石崎さんのご講演は多岐にわたり、大変興味深いお話ばかりで、実り豊かなセミナーとなりました。石崎さんが「素晴らしい」、「大切」と絶賛される本を3冊、ご紹介させていただきます。
- 「What is life ?」(ポール・ナース)
二度のノーベル賞受賞作家。石崎さんが「生きているだけで素晴らしい」と感じられた本。 - 「資本主義の次に来る世界」(ジェイソン・ヒッケル)
- 「家父長制の起源」(アンジェラ・サイニー)
今後も、 CRPジャパン生物多様性グループでは、セミナーを開催してまいります。なお、本セミナーのアーカイブをCRPジャパンのYouTubeに掲載しておりますので、見逃した方などがいらっしゃいましたら、ご視聴くだされば幸いでございます。また多くのみなさまとご一緒に学んだり、活動できますこと、とても楽しみにしております。ありがとうございました。
- 開催日時:2025.01.29 19:00 ~ 2025.01.29 20:30